手紙の返事 第6話
手紙の束をもらった母娘が
ひとしきり、手紙を読んだ後
考えたんだけど、聞いてね、
うん、
返事はクラスになさい、
個別だとこちらの住所までわかるでしょ?
しばらく経ってからにしなさい
はい、
お友達には後ででいいでしょ?
うん、そうする
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それまで、少女はテニス部の期待であった
大事な大会の前で、練習を続けていた時であったのだ
遡ること2週間前である
少女は3年の上級生2人から交際を申し込まれたのだ
彼らも大会前であり、3年最後の大会であったのだ
彼女は精神的にも、進学のことでも進退窮まった
断った時のことも考えてしまったのだ
3年の上級生が部長であることも手伝っていた
メール、つまりはテニス部の3年生だというの?
うん、
メルアド教えたのね?
うん、どうしてもというからお母さんの教えたの
お母さんのメルアドだって知ってるの?
ううん、知らない、自分のだと言った
そう、わかった
お母さん、初めて知ったぞ、
今時の子、こんな風に言うのね
えっ
知らない方がいいわよ、聞きたい?
いい、聞かない
これは先生に相談するからね
はい
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読んだ手紙を改めて見て、母親は聞いたのだった
この男子達はテニス部の子なの?
そう、同じ部活の子
このことは知っているの?
わからない、その人達黙っていたから
そう、なら放っておいた方がいいわね
うん
部屋に戻って、
彼女は、クラスに出す返事を書き始めたのであった
《続く》