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手紙の返事 第1話

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少年は学校から帰って、いつになく、部屋で考え事をすることにした

友人たちが次々と女の子に充てた手紙で失敗するのを見て、
少年はどうしたらいいか、考え始めたのだ

少年はインターネットでつぶさに調べることにした、
すると、あいつらはどこで失敗したんだ、と

少し、不思議に思われるかもしれない、この時代、手紙で、
というのは少し古風ではなかろうかと、メールが主流の時代に何故かと
学校、公立中学ではスマートフォンの類は原則禁止であった

加え、メールでの惨敗率もネックの要素となっていたのである、
少年に拍車をかけたのは、少女のこの一言であった
「メールでの告白なんて嫌だ」、と
少年たちはしばし、何でだと言い合っていたのだ、
少女がクラスでマドンナ役であることも事態を手伝っていた、

それでも、書いてみようと少年は考えた
但し、作戦がいる

書くにあたり、少年は、古典の知識までも持ち出して見たのであった
平安朝の姫君が手紙を受け取って、大事にしてくれるとは限らない、
下手をすれば落書きされたりもする、返事はもらえないかもしれない、

当時の公達は知恵を絞り、代筆まで頼んだらしい、つまり、
本人の歌でも下手な歌ならもらわない方がまし、というのである
そもそも、誰それに手紙をもらったというのは風聞になるのだ、
これは大変である

すると、こうなる、
知らない人から突然もらっても、受け付けるかわからない、
例え、どれだけ誠意を尽くしても、意に沿わなければ返事が、
来るとは限らない
人に知られることも考えないと事態は難しい

と、出る、今までからしても、リスクは否定できそうもない

そうすると、どうすればいいのか、
メールの時も、よくは知らない人とは言っていたのだ、
幸い、自分は小学校からの付き合いだ、知らない訳じゃない、
ここは助かった

少年の悩みは続く