手紙の返事 アイドル編 3
それでも結論は出したのであった
返事を期待するのではなく、伝わることを期待すること
あくまで応援であって、負担にならないようにすること
返事が返ってきても、代筆の可能性が高いこと
このような話がある、ファンレターで返事を出したのは、
他ならぬアイドル本人の母親で、状況を見かねて出したのだ
売り出し中の時はかなりプレッシャーも相まって大変らしい
ならば妙な気遣いはさせてはならない
決めた本人は葉書を取り出したのだった
便箋で大仰に書くよりは、むしろ葉書で分かることにした方が良い
自分達のことをべらべら話すのはかえって迷惑かもしれないと思ったのだ
クラスの連中どうしているかな
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数日後、アイドルの事務所
わ、きれいな字、誰だろ
周囲が騒めき出した
名前なんて言うんだろ、
…ふうん、珍しい名前
なんて読むんだろ、
どの辺りの名字かな
ねえ、知ってる?
あ、いない
少女は用事を思い出し、会話を脇でうろ覚えで聞きながら、
部屋を出ていたのであった