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クラス決め vol2 第12話 最終回

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家族の会話の結末

 

《少年の家の朝の会話》

 

考えたんだが、やはり自分で決めなさい
それから、Excelはよくできていたよ

母さん、後はお願いね

そう言うと、父親は職場へと出かけていった

 

《一方その頃、少女の家》

 

少女は自分の決定を姉に話していた

 

だってね、ジッセキなんでしょ、こっちの方が有利なんだから

ふ、甘いぞ

えっ

そのクラスで課題できなかったら、成績に響くぞ

そんな~

そうだよ

 

あんた達、どうこう言っても決めるのは母さんですからね

えっ、そんな

あんた達が先生を決めるのはまだ早い

クラス間違えて苦労するのは嫌です…

だめ、母さんが決めます

ううっ

 

と、言いながらも母親は本人の希望通りにしていたのだ

 

家族の結論が出た所で、アンケートは回収された

 

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ふとしたことから市内で始まった担任選択制は、

前回は2クラス分の人数を1組にする前代未聞の対応となった

 

今年も市長の判断もあって、所定の手続きを踏まえて説明会も終了し、

アンケート調査は今回、どのクラスも人数差がほとんどない結果となった

 

そして、今年も新学期が始まった

 

教室に早く入っていた女生徒は、顔見知りの子を見つけると、こう言った

あ~、クラスで見た人だ、また同じクラスだ

(よかった、何となく安心した)

 

少年は一言、言いたげな顔をしながらこう返した

そりゃそうだ、同じ先生にしたんだぞ

(クラスで言ってたの自分だぞ)

 

それもその筈、同じクラスのメンバーが同じ先生を選んだのだから、

クラスが被るのは当然というものではあった

 

お、元気がいいね、また同じクラスになったのかな?

 

入ってきた教師は、“お、よかったな”

 と言うサインを送るとすぐ向き直り、皆に着席を促した

 

新しいクラスの第一声はこうして始まった

 

【終わり】